ダンススポーツ(競技ダンス)とは


社交ダンス

音楽がある場所には必ずダンスが存在し、言葉を介さない男女のコミュニケーション手段として世界中にたくさんのペアダンスが存在しています。各地の民族によって踊られていた様々なペアダンスが、近代イギリスを中心に整理され10種目のダンスに体系化されたものが、現在おもに社交ダンスと呼ばれています。その他、アメリカンスタイルの社交ダンスや、サルサなどのペアダンスも、現在よく踊られています。

「ダンススポーツ(≒競技ダンス)」は、社交ダンスをベースとしつつ、スポーツ性を追求して独自に発展した競技スポーツとして実施されています。男女が一組のチーム(ペア)となり、音楽に合わせて身体を緩急自在に動かすスポーツで、男性と女性の一組により芸術性とスポーツ性を引き出すスポーツ競技種目です。わが国でも生涯スポーツとして広く普及しています。

ダンススポーツ競技について

第一次世界大戦以前から、いくつかの欧州諸国にてダンス競技がおこなわれていました。1930年代ごろから、現在のような英国スタイルが浸透し、1947年以降、国際的な競技も多々行われるようになってきました。

今日、日本はもちろん世界各国でダンスはスポーツ競技種目としても発展を見てきました。 1997年スイスのローザンヌで開催された第106回IOC(国際オリンピック委員会)理事会において、ダンススポーツとIDSF(現在WDSF:国際ダンススポーツ連盟)は、オリンピック競技種目及び組織として正式に承認されました。そして、1998年タイのバンコクで開催されたアジア競技大会では、公開競技として開催されました。 また、2001年秋田で開催のワールドゲームズでは、ダンススポーツは正式種目として開催されました。

競技方法

競技の進行については、1次予選から通常は全員が演技します。そして良いと思われる演技の組を、決められた組数だけチェックし、チェックの多い順に次のラウンドに進む組が決まります。競技者を識別するため、男性の背中には背番号が付けられています。このため競技者が多い場合、名前ではなく背番号で呼ばれます。 応援も背番号を呼ぶことで行なわれることが通例です。

審査のポイントとしては、

  1. タイミングとベーシックリズム
  2. ボディライン
  3. ムーブメント
  4. リズミック インタープリテーション (リズムの演出表現)
  5. フットワーク

で審査され、踊りはじめから音楽の終わりまでの間に、審査が行なわれます。

こうしてラウンドが進むことで、最終的には1フロアに6組だけとなります。この最終ラウンドを決勝といい、このラウンドでは審判員が1位から6位を決め、順位を決定します。

審査は、公平な審査が出来るよう、複数の公認された審判員によって審査されます。さらに決勝に関しては、単純な合計点ではなくスケーティング法という集計方法により、1位から6位が適切に決定されます。

競技時間については、最低1分半行なわれます。だたし、ヴェニーズワルツとパソドブレ、ジャイブは最低1分となっています。

【10種目の音楽と踊り方について】

音楽によって、種目が分かれています

スタンダード部門

かつてのヨーロッパ宮廷舞踏が起源とも言われ、オーケストラやビッグバンドなどの演奏で踊るイメージです。

ワルツ

三拍子のリズムにのって、振り子のような上下運動を伴うムーブメントが特徴。
・3/4拍子 (28-30bars/min.)

タンゴ

風間 歯切れの良いリズムに乗って力強いアクションと、情熱的なドラマチックなムーブメントが特徴。
・2/4拍子 (31-33 bars/min.)

ヴェニーズワルツ

くるくると回転しながら舞うムーブメントが特徴。
・3/4拍子 (58-60 bars/min.)

スローフォックストロット

ゆったりとしたリズムに乗って、流れるように前または後方にスイングするムーブメントが特徴。
・4/4拍子 (28-30bars/min.)

クイックステップ

明るく軽快なリズムに乗って、躍動感にあふれたムーブメントが特徴。
・4/4拍子 (50-52bars/min.)

ラテン部門

打楽器を使ったラテン音楽や、エキゾティックなメロディーで踊るイメージです。

サンバ

サンパ・リズムの音楽で、膝の上下運動と軽快なヒップアクションで躍動感を表現する。
・2/4拍子 (50-52 bars/min.)

チャチャチャ

陽気でリズムカルな音楽で、軽快に遊び心がある表現をするのが特徴。
・4/4拍子 (30-32bars/min.)

パソドブレ

フラメンコに類似。マーチの音楽で、力強く闘牛士を演じるのが特徴。
・2/4拍子 (60-62bars/min.)

ジャイブ

ビートの効いたロックンロールのリズムで、軽快なフットワークで楽しむ表現が特徴。
・4/4拍子 (42-44 bars/min.)

ダンススポーツの特徴

競技開始とともに音楽が掛かり、この音楽に合わせて演技が行なわれます。この音楽は、予め決まっている訳ではありません。よって、選手は音楽を聴いて、どう表現するかを瞬時に把握する必要があるのです。 つまり、事前に掛かるであろう音楽で練習している訳ではなく、さらに単純に音楽のリズムに合っているというだけでなく、音楽の雰囲気に合わせて踊るのが表現力の一つなのです。 従って音楽というものを理解することが大切になります。

またスタンダードでは、フロアに複数の組が同時に演技するため、衝突することなく踊ることが必要です。これも技術の一つです。

(公社)日本ダンススポーツ連盟 広報部

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